かつて、世界を御した旧き神々がこの〈約束の地〉を離れて幾年月。 新たな世界はそれを勝ち取った者達の手により、安定の末、成熟を迎え、やがて緩やかに衰退を迎えていた。 彼等は知っていた。また恐れていた。 いずれ旧き神々がこの地へ舞い戻ってくる事を。 その時、栄光なる世界の歴史は幕を閉じるという事を。 だが、それに立ち向かう術が、もはや自らには残されていないという事も。 天使は翼を失い、悪魔は牙が折れて久しい。 あるのはただ、失意と混乱、その果てに待ち受ける滅亡だけ。
そして予感は現実となって彼等を襲う。 「世界の根幹に介入し、法則変革の末、これを御そうと試みたものがいる」 それは、外なる世界より強大な『何か』がこの地へと来臨した証。 異変は静かに、また確実に伝播しつつあった。
とは言え、そのような異変になど、まったく頓着しない者も世界には存在した。 ただ漫然と、あるいは必死に、今日を生き抜く事だけに全力を傾けている人間達。 日本の平均的中学生である王豹史河もまた、その中の一人に過ぎなかった。 彼と出会うまでは。 「心をもたぬ〈神〉など、ただの〈人でなし〉だ」 世界の裏側に通じ、超常の技をもって、闇を狩り、光を征す黒衣の青年。 「終わらせはしない。守り抜いてみせよう、この現世を。我が真の名に誓って」 舞台はここ「地球」。 大儀はなく、ただ自らの信念の元に振るわれる黒き剣が、天と地の狭間で抜かれる時、神話は蘇り、伝説は築かれる──
史河「……って、うちの話、こんなにシリアスだったっけ?」 テルゼ「多分……(汗)」
What’s[Emperors High]?
と、なにやら思わせぶりなイントロをかましてみたものの、普段はいたってお気楽極楽、かつ無体な連中が宇宙を又にして繰り広げる、お茶の間ファミリー系無軌道ファンタジー(嘘、のようで結構本当。だと思う)。
十数年前に原型が生まれ、それからタイトルの変更や設定の微調整などを繰り返しつつ、ビンボな管理人が大学の部誌や配布ペーパーなどで細々と小説やイラストを発表し続け、現在に到る。半ばライフワークと化しつつある作品。 現在は主人公を中心とする諸設定の大幅な見直しを行った後、試験的な長編をオフラインにて気まぐれ不定期連載中。
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