Baggage
of [Emperors High]World
作中でよく使われるキーワードを簡単にまとめてみました。 さらに詳細な設定は、必要に応じて追々。 さほど緻密な構想の下作られた話でもないので、「ああ、ファンタジーものなんだな」程度の認識でも充分だと思いますが(笑)。 |
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世界観 現実宇宙と同じく、銀河があり、星系があり、各惑星上に人間およびその他多数の生命が存在する。 地球における文明レベル・宗教観などもほぼ同じ。 ただし、一部危機管理組織や調査機関(代表的なもので教皇庁、FBIなど)では、秘密裏に遺失魔法文明の研究やサルベージ、技術開発が行われている。 天使や悪魔といった超自然的存在は、あくまで神話や御伽噺の住人に過ぎない、というのが一般における常識である。 〈天魔〉 本作では主人公をはじめとして、作中、最も多数登場する、人間以上の力を持つ種族を指す。 一般に〈魔族〉という言葉でもって、吸血鬼などと一括りに説明される場合が多い。 基本的に現世におけるその姿は人間とほぼ変わらないが、本来、超物理的高エネルギー知性体(とどのつまり精神生命体)である彼等は、固有の外観を持っておらず、場面に応じてあらゆる状態変化に対応出来る(そしてその環境適応能力のレベルが、一つの力の基準にもなる)。故に大気圏外であろうがマントルの中であろうが活動が可能。その知能といい、生命力といい、他の生物種とはまったく別次元の存在である。 中でも特に強大な力を持つ者は『帝神』あるいは『魔皇』などと呼ばれ、現象界の歴史に少なからず影響を与え続けている。 ちなみに本作における『神』と『魔』の概念は、一神教の台頭によって生まれた相対的なもので、種族は共に〈天魔〉である。 魔法・魔術 呼び方は地域・種族によってまちまちであるが、主に〈天魔〉が世界法則に干渉する事で引き起こす超自然現象の総称。 人間にも〈天魔〉との契約など、工夫や条件次第で〈技術〉として扱えるものではあるものの、長期間に渡っての行使や連続発動などには、生命種としてのポテンシャルの関係上、どうしても限界があり、これをもって〈天魔〉と対抗するのはまず不可能と言われる。 また、〈天魔〉の中においてもその技術力にはかなりの差異が存在し、人間の使役師をやや上回る程度の出力しかもたない者から、まるで息をするように惑星規模の法則改変を行う者まで様々である。 〈最強〉と称される〈魔皇〉の一柱である〈全知神〉ダレンフィムの干渉範囲は、星系全体に及ぶと言う。 〈全知〉 本作を語る上で外す事の出来ない、ある意味全ての発端に繋がるダレンフィムが行使する特殊技能。 一定空間内(その範囲は任意で指定が可能)に存在するあらゆる事象を把握し、また、そこから得られた情報を高速で整理・統合していく事により、限りなく正確・緻密な状況判断・対処を可能とする。俗に言うところの〈千里眼〉能力である。 加えて〈千里眼〉と決定的に異なるのは、情報を受け取るだけでなく、積極的にそれらへ働きかける事も出来、ターゲットの法術発動シークエンスに強制干渉し暴発させたり、それを仮想空間に一時保存し打ち返すと言った反則的芸当も容易に発現させる。戦場において、最も効果的・効率的に戦う方法を提示し、活用させる能力とも言えよう。 ダレンフィムがかつて多対一の状況にあっても圧倒的な強さを誇り、現在もなお、数多の〈魔皇〉の頂点に君臨し続けているのは、この力によるところが大きい。 ただし、この一見万能とも取れる能力にも〈禁域〉が存在し、〈法皇〉レイグリフの特殊技能である〈封隠〉発動空間内においては効力を発揮する事が出来ず、また相手の精神領域についても越権する事は適わないらしい。 〈本国〉 〈地球〉(すなわち旧世界)に対し、現在ダレンフィムを中枢とする主人公の陣営が拠点を構える星系と、同時にそこに存在する国家を指す言葉。魔法技術と科学技術が混在・融合し、一部分においては確実に現在の地球より進んだ文明と国力を持っている様子が窺える。 その為、衰退の激しい現〈地球〉側の〈天魔〉達としては、かつての〈報復〉を受ける事を非常に恐れているが、対応に関しては、未だ足並みが揃っていないのが実情である。 〈十二柱〉(レイ・ソルナール) 別名〈十二天魔〉〈十二聖天〉など。〈本国〉を治める、あるいは〈本国〉そのものである、十二体の大天魔達を指してこう呼ぶ。それぞれが固有の支配領域を持つ、多神教的世界を構築しているのが特徴。 いずれも〈主神〉クラスの実力者と言われているが、実際は上位と下位で、能力値にかなりばらつきがあるらしい。また、基本的に彼等は同盟関係を結んでいるというわけではなく、あくまでも『利害関係が一致しただけの超個人主義集団』な為、派閥などもしっかり存在する模様(ようするに一枚岩ではないという事)。 現時点では、首座魔皇(総帥)であるダレンフィムをはじめとする6体が作中に登場している。 単体で恒星間転移をするわ、枝宇宙を創るわ、そんな無体極まりない連中が、主人公を中心に日本やヨーロッパ周辺をうろちょろ出入りしていたりするのだが、普段は興味本位で湯治へ出かけるわ、写真集代を踏み倒すわ、その真の実力よりも、神族らしからぬ妙に垢抜けない行動でもって、周囲に被害をもたらす事の方が多い(主な被害者は主人公とその親友兼部下)。 〈ティル・ナ・ノーグ〉 シード=デア=クアサール卿が艦長を務める国防軍天空艦隊所属の最新鋭戦艦。その名は古代ケルト人の神話に登場する神々の住まう異世界を表す。試作実験運用艦であるため、同型艦は存在せず、開発段階から多分に現艦長の意見や手が加わっている事から、まさしく彼の為に建造されたカスタマイズ戦艦ともいえる仕様となっている。 速力・火力共に非常にハイスペックな艦であるのだが、それ故に扱いは非常に難しく、並みの戦隊長クラスの天魔ではまずシステムの基礎処理が追いつかない為、とても実戦には耐えられないと言われている(基本的にこの世界の軍用艦は運用システム上の関係から全て天魔の士官が艦長を担う事になっている)。 通常、戦艦クラスの艦長は艦のシステム維持と指揮のみを行うが、〈ティル・ナ・ノーグ〉に限っては艦長が操舵と砲撃手を兼任する(戦闘時のみ)。また予備艦橋の他に人間が運用する事を前提とした第二艦橋が存在するのもこの艦の特徴で、艦の潜在能力を十二分に発揮出来るとは言い難いが、制御中枢に直接リンクする力のない人間であっても、マニュアルで操艦する事が可能である。(ちなみにシードは純天魔の将校であるが、マニュアル操艦もかじっている変わり者だったりする) 全長:800m前後/全幅:300メートル前後/全高:280メートル前後/戦闘総重量:不明 定員:不明(最小稼動人員は1名)/武装:各種攻撃系法術。予備武装としてレーザーなど人的な兵器も取り付けは可能。 〈神黙の役〉 聖華の住まう世界で以前起こったとされている、神と魔の最終戦争。〈聖戦〉とも呼ぶ。 〈光明神〉ウィドラゼフと〈狂神〉ダレンフィムが世界の覇権をめぐって死闘を繰り広げ、ウィドラゼフが相打ちになる形でダレンフィムを滅ぼし、平和を守ったと伝説では語られている。 しかし、闇に葬り去られた真実の〈聖戦〉は、およそ次のような経緯によって勃発した。 当時、現地の魔族(=敵対神族。別名・同業他社)との長きに渡る戦いで疲弊し、世界秩序と自らの権能を維持できなくなりつつあった神々は、さらなる人類の台頭に危機感を抱き、「世界浄化」の大義名分の下、彼らの掃討を計画した。その計画の実行者として任ぜられていたのが、異世界(=別星系)より召喚された至高神・ダレンフィムであった。 当初は戦いに倒れた本来の主神の代行として、天軍の要にあった彼であるが、やがて正統な帝神であるウィドラゼフが戦線に復帰すると、次第に彼は、その処遇を持て余されるようになっていった。 ひとまず、その高い戦闘能力は今後も利用価値ありとされ、以前にも増して「危険因子の殲滅」に専念するように命じられると、彼は厄介払いも同然に、追いやられた下界を彷徨う事となった。ダレンフィムと真っ向から対立する事を恐れた諸神は、彼の消耗による自然消滅も狙ってこの任に就かせたらしいが、これが彼らにとって完全に不測の事態を招く結果へと繋がってしまう。 召喚された当初より、同族の在り様に失望しきっていたダレンフィムは、これを機にあっさりと神々から離反。「イレギュラー」の介入により、あまつさえ全天に対し宣戦布告した。 彼はその圧倒的な実力でもって数千に及ぶ同族を封滅し、事態に乗じて覇権を手中にしようとした敵対勢力をも廃した。 戦いはもはやダレンフィムの完全勝利に終わるかに見えたが、ウィドラゼフとの最終決戦において、辛くも相手を滅ぼす事に成功するものの、自らも〈誓約〉を無視した結果による過剰負荷によって活動停止に追い込まれる。そのまま自己封印状態に入り、歴史の表舞台からしばしの間退場する事になった。 その間、何とか体制を立て直したウィドラゼフ一派の残党により、都合よく脚色された歴史がすっかり定着してしまった為、ごく一部の地域を除き、彼の名誉は未だ回復されないままでいる。 〈光明神〉ウィドラゼフ 〈真なる恩恵〉〈与えし者〉などの二つ名を持つ神々の覇王。別名「諸悪の根源」。 伝説では献身的な救世主とされ、多くの信仰を集めているが、実際は「世界浄化」という名の大量殺戮を強行しようとした張本人。 よせばいいのに、身の程も弁えずダレンフィムを利用し、楯突いたが最後、その怒りと嘲笑を浴びて入滅する事になった。合掌。 セイクリッド(=〈全知神〉ダレンフィム) 通称・若ダレフ。本作の神話時代編における主人公。 息子が主役を張る現代編に登場する彼は、天界における良心的存在であり、非の打ち所の無い君主として周囲に敬愛されているが、過去……少なくとも聖華と出会った当初の彼は、大分様子が違っていた。 太陽系を追われた際、同胞から引き離され、封印されたダレンフィムは、徐々に力を取り戻しつつ、時空を彷徨っていた。 やがて彼は、ある世界の神として擁立され、結果、「約束の地」へと降り立つ事になる。長い戦いで疲弊したその地の神々は、彼を大いに歓迎した。 しかし、噂に聞く〈全知神〉は、能力こそ確かに圧倒的なものがあったが、言動は過激かつ冷酷。その心情を読み取る事は如何なる者にも叶わず、凄烈な霊気は味方でさえ何の感慨もなく牙をむくであろう危険を孕み、ある意味、敵対する者達以上に、彼を擁立した同族を恐れさせた。 ただ、戦場において、向けられる敵意に自らの意思を振るい返すその瞬間にだけ、己の存在を確認する事が出来る心無き完全無欠の戦闘兵器。それが当時の正確な至高神の姿であった。 もっとも、実際には彼が心を持っていなかったわけではなく、あくまで「封じられて」いただけなのだが。とは言え、誰も……本人すらそれに気づかない以上、存在しないも同然であった。 周囲の反応や思惑を余所に、その特殊能力により予知すら可能であった彼は、独り暗い未来を抱え込み、深い絶望の中、敵意をもって己の前に立ち塞がる存在を屠ってゆく時間だけを拠り所とし、悠久の生と力を持て余して過ごしていた。 ……そう、「彼女」に出会うまでは。 |
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