サー・イシュトヴァン=バートリ
本作のキーパーソンの一人。プロフィールの詳細はこちらへ→
クリストファ=ナダスディ
主人公の好敵手。プロフィールの詳細はこちらへ→
〈新月の貴人〉
名を変え姿を変え、歴史を暗躍してきた先天性ヴァンパイア。ルカシュ最大の敵。妙齢の美女の姿をしているらしいが、その齢は2000歳を超え、最も古く、強力な眷族の一人として、己が欲望のなすままに、多くの人間を弄んできた。
美形の従者を多数引き連れている彼女だが、200年前に見初めたルカシュはその中でも特にお気に入りらしく、屈折した愛情で彼を苦しめ続けている。
主人公に対してはサディスティックこの上ない彼女であるが、彼に続いて創り上げた後天性ヴァンパイアであるクリストファに対しては聖母のごとき寵愛を注いでいる。
必死でその行方を追っているルカシュを嘲笑うかのように、突然その前に現れたかと思うと、また姿をくらます、という事を繰り返しているようだ。
教皇庁の権益に関わるような大きいヤマには、常に彼女の影が見え隠れしており、何やら企んでいるらしいが、目的は今のところ不明である。
その行動パターンは常人にはとうてい掴みきれそうもない、非常に謎めいた存在。
〈ネーヴェルヴォルフ〉
かつてのルカシュに冠せられた二つ名。ドイツ語で〈霧の狼〉の意。
彼が姿を現す時、その周囲一帯が霧で閉ざされる事から、当時、教会関係者は自らの視界を白い闇が覆うのを大変恐れていたという。
霧は一種の結界であり、獲物を確実に捕らえるための檻の役目を果たすばかりではなく、同時に攻防一体の多彩な効果を発揮する。
しかし、発生の規模が大きくなるほど、戦闘後の必須血液補給量も比例して増す為、最近はここぞという場面にしか使用しないよう、控えているらしい。
ルカシュは後天性とはいえ、下手な先天性ヴァンパイアよりよほど能力は高いので、この『結界霧』の他にも、火炎属性の魔術や、式(使い魔)の使役も可能である。
ヴァンパイア
俗に『吸血鬼』と呼ばれる〈魔人〉の一種族。
その特徴として夜行性である事、超人的身体能力を誇る不老不死の肉体を持つ事などが挙げられる。一般に流布されている情報とは異なり、日中の活動も可能で、その吸血行為によって容易に繁殖する事もない。だが、人間にとって脅威の存在である事には何等変わりなく、教皇庁を始めとする特務機関にとって、常に最大の仮想敵の一つとみなされている。
知能は人間と同等以上で極めて狡猾。加えて執念深い。
自種族優越意識をひけらかす排他的な思想の持ち主が多い為、人間ばかりでなく、魔族間でも敵対する種族は多い。
大別すると、先天性と後天性の二種があり、純粋な魔族である先天性種は強大な魔力を持ち、人間の物理法則を無視した現象をも容易に可能とする。後天性種は先天性種によって遺伝子操作された人間の末路で、先天性種の従僕以上の存在に成りうる確立はいたって低い。
能力値は瞳の色で識別判断する事が出来るが、金眼の爵位クラス(八割方先天性種である)は絶対数が少ない為、普通ヴァンパイアというと赤眼で知られている。
高位の先天性種を倒すには一撃必殺が鉄則で、一度灰燼と化した後も、念入りな儀式処理を行わなければまた復活してしまう。
ダンピール
別名クルースニック。ヴァンパイアと人間の混血者のうち、魔族として覚醒しなかった者を指し、生まれながらに魔族と戦う為の高い特殊能力を持つ。
事例は非常に少なく、発見された場合、だいたいが本人の意思に関わらず、各特務機関に保護・教育され、対魔族の切り札として、戦いに身を投じる運命にある。
ナハツェール
ドイツ語で死後、他人に憑依して殺す者の意。
いわゆる「死にぞこない(アンデット)」の事。死体や時に生きた人間や動植物に、自力で物理具現化する事の出来ない低級の精霊が憑依した妖魔。民間伝承に詳しい吸血鬼はこれがモデルになっている。ヴァンパイアが意図的に使い魔として創造する場合もあるが、通常は自然発生の災厄である。
近年被害件数が増加中で、因果関係が調査されている。
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