2015年5月17日 / 最終更新日時 : 2015年5月17日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(13) 「──皆、貴女の事を愛していました」 鼓動に合わせて鈍く痛む胸に、知らず手を当てながら、力無き者の守護者と謳われ、また煉獄の戦鬼と怖れられた青年は、来たるその日、その瞬間を脳裏に描く。 思い起こす度、未だ魂に刻まれた傷口 […]
2015年5月6日 / 最終更新日時 : 2015年5月6日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(12) ──師父と仰ぐその男と最後に会ったのは、16歳になった年。ちょうど初陣を前にした前日の事だった。 父が亡くなって間もなく、後見人となった祖父の意向によって、ジルに学びの楽しみを授けてくれた家庭教師の多くはことごとく罷免さ […]