2015年3月8日 / 最終更新日時 : 2015年3月8日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(9) 後にヨーロッパの覇者となり、絶対王政の下、隆盛を極めた大邦、フランス。 その絢爛たる国家の歴史において、とりわけ激動の時代を生きる事になった二人の青年──シャルル・ド・ヴァロワ、のちの『勝利王』シャルル七世と、彼の忠 […]
2014年8月10日 / 最終更新日時 : 2014年8月10日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(8) 「……陛下は軍を解散させるそうだ」 あまりにも唐突に。 夢の終わりはやってきた。 その情報を戦友の口から知った時、どういう性質の悪い冗談かとジルは思った。 否、最初に聞いた時には傭兵隊長が発した言葉の意味が理解出 […]
2014年7月21日 / 最終更新日時 : 2014年7月21日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(7) ──この世界において、他の誰よりも『戦う女性』の代名詞として知れ渡っている『オルレアンの乙女』ジャンヌであるが、彼女が実際に歴史の表舞台で活躍していた期間は、あまりにも短い。 1429年3月、彼女は当時、アルマニャッ […]
2014年7月15日 / 最終更新日時 : 2014年7月15日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(6) ──名前を呼ぶようになったのは、自分の方が先だった。 「みなさん私の事を『乙女』や『聖女様』と呼んで下さいますけど、ただの『ジャンヌ』で結構ですよ」 言われて、真っ先に応じたのはアランソン公だったろうか。 以来、少 […]
2014年7月7日 / 最終更新日時 : 2014年7月7日 aoi-tamaki 長編小説 還り着く場所(5) オルレアンへの派兵が決まり、初めて迎えた朝。 あの昇りゆく日の光は今もこの目に焼き付いている。 心地よく張りつめた空気の中、新たな一日の始まりを告げる太陽の一矢が、ヴィエンヌ河に差し込む光景を目の当たりにした時、あ […]