色選びから始めるコピック講座

第3回・実践編 『かおす本舗的着色指南・その2』

管理人:初めましての方もそうでない方もこんにちは。

コピック使って(以下中略)『かおす本舗』管理人・九月薫改め磯垣葵であります。

……って、この挨拶もいい加減はしょってもいいか。

それでは前回の更新からまた長らくお待たせしてしまいましたが、今回は肌・瞳の着色に続いて、さっそくですがコスチュームの着色へ入りたいと思います。

 

■服の着色■

 

1影(B24、C7、G00)から着色開始→

 

1影が一通り入った状態。

 

管理人:手順は基本的に肌の塗りの要領と変わりません。写真のように中間の影色からそれぞれのブロックごとに色を置いていきます。

 

 

その上に2影(B18、BG32、N8)重ねた後→

 

上からそれぞれの1影色を一塗りしてぼかします。

 

管理人:中間色で影をつけ、その上からぼかすように薄い色を塗り……さらに一番濃い影をつけたら、インクが完全に乾かないうちにまた薄い色を重ねてぼかす……あとはもうどの箇所でもこの繰り返しが続きます。

……ん?よく見たら、この時は一番最初のぼかし塗りをする前に、一番濃い影を先に置いているようですね。

まあ、この通り、慣れてくると、時と場合と感覚によって作業手順が入れ替わったりする事もままあります。

 

テルゼ:……本当にアバウトな講座ですね……コレ(汗)。

 

管理人:いや、全体的に見ればそうでもないっしょ?ハウツー本ではともかく、いちいちパーツごとに作業工程を分けて、逐一使用色まで掲載しているメイキングはそうないと思いますが。

ただ、そのおかげで、今回みたいに微妙に工程にあまり違いがない箇所だと、中だるみが起こるというデメリットも出でくるわけで……上手くいかないものよのう。

 

テルゼ:それでは、内容的に前回と被る箇所、取り立てて解説の必要がない部分は、さっと流してしまいましょうか。先は長い事ですし。

……まったく、今の調子だと何年ごしの連載になるか分かりませんからね。

 

管理人:……ごもっとも(汗)。

 

■手袋の着色■

BV31で1影を入れていきます。

 

管理人:服の広い部分が大方塗り終わりましたら、次は手袋等の細かい箇所の塗り込みに入っていきます。

とはいえ、こちらも手順としては先程の薄い影を入れて〜の繰り返しです。

強いて解説を入れる部分があるとしたら、この手袋のように、白い部分に色を置く場合、一重に『白』へ影をつけるといっても、全体の色のバランスや素材を意識して、何色か配色のパターンを作った方が、絵の厚みが増す……といった程度の事でしょうかね。

 

テルゼ:そこ、流さないで掘り下げろよ。多分みんな知りたい部分だから。

 

管理人:……といっても、私もあまり塗り分けのパターンが多彩な方ではないので、パターンはたかが知られているのですが、とりあえず、みんながまず思い浮かべるクールグレー系の影の他に、この手袋部分に使用したラベンダー系の影、あとはあまり使いませんが、ブルー系の影やベージュ系の影なんかをイメージによって使い分けています。

あとはそれを微妙に混ぜ合わせたり……あ、今回の手袋は何気にその『混ぜ合わせパターン』になっています。

 

一影の上に2影(BV23)まで入れた状態。→

 

そこへ少し青系の影(B41)を入れる。

 

テルゼ:人がつっこまなかったらウッカリ重要部分スルーかよ。

 

管理人:まあまあ。そうカリカリしない。

見ての通り、ここまでの基本パターンで2影(BV23)まで入れた状態でも、描き込み具合としては充分完成状態と見なしても大丈夫ですし、画風によっては実際、これ以上塗り込むと絵がくどくなってしまう恐れがあるので、全ての方にオススメは出来ないのですが、私の場合、ここにもう一段、ちょっとそこまでの影色とは違う系統の色を置くことで、色の深みが増すようにする時があります(置くか置かないかは、やはりその場のノリや時間との相談で決める事が多いです)。お菓子作りの際に少量の塩を入れるようなノリですね。油絵効果とでもいいましょうか。印象派時代の絵画とか見ていて、一色の中に物凄い色が置いてある事を意識し始めてから、そんな画面上での混色を考えるようになりました。

 

テルゼ:ほう。漫画やアニメ絵ばかりを模写していたばかりではないんですね。

 

管理人:コミック系のイラストを描く場合でも、畑違いだと食わず嫌いせずに、やはりメジャーな絵画の良さは味わっていた方が良いと私は思いますよ。何十年もの間、世界中で評価されてきた絵の持つ魅力とか情報量は伊達ではありませんから。

 

■金具部分の着色■

 

薄いオレンジ(YR31)を置いた後→

 

上に濃い色(Y17)をさっと重ねます。

 

管理人:さて、肌の塗りに続いて、やっとうちの画風で最も特徴的な部分の一つである金具部分の塗りに入りますよ〜!

ここまで長かった……うへー……

 

テルゼ:しかし塗り始めはやっぱり同じ……

 

管理人:最初はな。ただ、重ねる色が服の普通の部分とは比にならないです。何しろ、ハイライトを含めると、ここだけで実に最大6色も使う事になりますからね。

髪についで最も手間がかかるパーツです。

ただ、髪の毛と金具こそが私の絵の一つの『ツボ』だと思っているので、どんなに面倒くさくても、ここだけは絶対に手を抜けないという。

とにかく、それっぽい感じが出るまで、満足がいくまで色を重ねていきます。

 

最も濃い影を入れて、ぼかしたところまで。

 

管理人:……で、上の写真でY17を置いた後、その上にアースカラー系のE33を重ね、最も薄い黄色であるY00で伸ばしたのがこの写真です。

時と場合によっては、これでフィニッシュにしてもいいのですが……

 

さらにもう一色影を入れた図。

 

管理人:……何か物足りなく感じたので、さらに濃い影にあたるE44を重ねました。

ちょっとしたようで、かなり見た目の感じが変わったのではないでしょうか。こういう金具とか髪の毛のような『光』が映える部分は、コントラストがはっきりした方が、質感が増しますし、画面全体も華やかな感じになると思います。好みもありますけどね。

それでは、服の塗りが完了したところで、次回は髪の毛の塗りへと続きます。

 

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