色選びから始めるコピック講座     

◆ 《目次》 各ページへのショートカット

第2回・実践編 『かおす本舗的着色指南・その1』

第3回・実践編 『かおす本舗的着色指南・その2』

第4回・実践編 『かおす本舗的着色指南・その3』

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第1回・入門編 『技術を論ずるその前に』

管理人:初めましての方もそうでない方もこんにちは。

たとえセンスは無くとも、手描きイラストに関するウンチクとキャリアだけはそれなりに積んだ『かおす本舗』管理人・九月薫(くげつ・かおる)改め磯垣葵(いそがき・あおい)であります。

 

テルゼ:オンオフ場面を問わず、そのアシスタントを務めております『エンペラーズ・ハイ』主人公・テルゼ=フォルナーです。

 

管理人:このコーナーはその名の通り、『コピックを使ってカラーイラストを描いてみたいんだけど、そもそもどんな画材なの?』という入門者から、『実際に購入してみたけど、あの先生のように全然綺麗に塗れない!どうして!?という若葉マークの使い手さんを主に対象とした『アマチュアによるアマチュアの為のイラスト講座』のページになります。

愛を形として表現する事に目覚めた貴方のカラー技術向上の一助になればこれ幸いです。

CG使いさんや管理人以上のスキルを持つカラーマスター様は、『こんな描き方もあるのか』という参考までにして頂ければ、それなりに楽しめるかと。

それでは、前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

 

■『コピック』ってそもそもどんな画材なの?

テルゼ:このコーナーに来ているお客様で、そういった疑問を持たれている方は非常に少ないと思いますが。

 

管理人:かもしれないけど、本当にカラーを始めたばかりの人の中には、『コピックはカラーマーカーの1ブランドである』事や『実は俗に『コピック』と言われる画材は2つある』という状況を全く知らない人もいるかもしれないし……って、そこの方、もしかしたら知らずにお店に行ってきちゃいました?

私自身が使っているのもそうですが、最近のネットや同人作家さん達の間で『コピック』と呼ばれている画材は、正式名称を『コピックスケッチ』と言います。

専門店で『コピック』を買う時には、上の正式名称をちゃんと押さえておくのが無難です。でないと、正真正銘、本物の『コピック』マーカーを手に取る事になってしまいます。

ある程度のクラスに達したコピックマスターにとっては既に暗黙の了解であり、基本中の基本事項過ぎて、ほとんどのオンライン講座でも触れられていませんが、まず何より初めに、この『コピックの種類選び』をミスした時点で、この画材をマスターするハードルは高くなります。くれぐれもご注意を。

 

テルゼ:具体的には、その2種類の違いは何なんですか?

 

管理人:正真正銘の『コピック』と現在主流になりつつある『コピックスケッチ』の唯一にして最大の違いは、『ニブ』と呼ばれる『ペン先』にあります。

『コピック』のペン先は従来のマジックやポスカと同じ『ブロードチップ』という四角い形状のものがメインで、補助的に細書きのペン先がついている二刀流式のマーカーです。

その『コピック』から派生した『コピックスケッチ』は、従来の『ブロードチップ』に加え、筆ペン型の『スーパーブラシ』が標準装備されているのが特徴で、それこそが本商品をカラーマーカーのトップブランドに押し上げた最高のウリと言って間違いないでしょう。

『コピックスケッチ』の登場により、使用する場面と使い手を非常に選んだカラーマーカーは、今やプロから駆け出しの素人まで幅広く活用されるポピュラーな画材になりました。

そんなわけで、初めてコピックを買う時は『スケッチ』を選ぶ事。お忘れなきよう。

ちなみに『コミックマーカー』という商品もありますが、これは『コピックスケッチ』の派生商品で、使い勝手は『スケッチ』とほとんど変わりません。カラーバリエーションの好みによってはこちらを購入しても何ら問題ないです。

ただ、『コミックマーカー』は『コピック』の利便性の1つである『インクの補充』は出来ませんので、コストパフォーマンスの点では『スケッチ』に劣ります。

 

■どんな色を買ったらいいの?

管理人:本講座のウリでもある、おそらくコピック入門者が最も知りたいであろう設問になります。

お金に余裕がある人は最初からセットを買ってしまえばいいんだけど……コピックはある意味CGソフトを超える高級画材。使い勝手もさる事ながら、単価の高さも有名です。

夏コミ等のイベント販売では若干お安くなっていますが、標準価格は1本380円で、ケース付きのセットが12色で4560円、36色で既に13680円の大台に、基本色144色のフルセットでは何と54720円にもなります(汗)。

……こうして改めて書き出すと、今まで自分が投資してきた金額に頭がくらくらしてくるわ。

故に、大抵の人は、『使いたい色からコツコツと単品買い』する事になると思うんだけど……

 

テルゼ:こんなに色数が豊富だと、逆にどんな色から集めたら良いかわからないんですよね。

 

管理人:そうなのよ。

初心者は実のところ、塗りの難しさ以前に、ここでつまづく事になるのよね。

私も使い始めたばかりの頃は、少しでも使い回しがきく組み合わせが揃うように、日々試行錯誤しながら『試し描きOK』な店頭へ手帳片手に通っていたもんだわさ。

しくじったら1本につき約雑誌1冊分の損失だぞ?

はっきり言って、キャップの色や名称はあんまり当てにならないし。

しかし、どんなに頑張っても、それなりのイラストを描くには最低12色以上は必要です。

大前提として『コピック』は絵具とは違って混色が出来ない画材だから。よって5000円の投資は覚悟しましょうね、みなさん。

 

テルゼ:今日日その値段なら安いCGソフトが買えますね。

 

管理人:……下手すれば72色が手元に揃う頃にはペンタブ買ってもお釣りが来るわい(遠い目)。

一家に一台どころか、今や一人に一台パソコンがある時代だもの、そりゃCG隆盛になるはずだわな。これじゃ。

それでもコピック使いが絶滅しないのは、アナログにはアナログなりの良さがあるのと、著名なプロのユーザーが多い(=こんなイラストが描きたい!というキッカケが多い)為だろうけど。

おっと、話が脱線しましたね。

まあ、とどのつまり、『コピックを購入するに当たっては、具体的に自分がどのような色を欲しているか、イメージ出来るかが凄く大切である』という事です。

『こんな色があればいいかな?』程度の軽い気持ちで店頭に行っても、さんざん迷った挙句、ハズレを引いて終わりです(痛い経験者は語る)。

何分、ここ10年間で増色に増色を重ねて、とうとう300色を超えてしまったラインナップ。一見全然違う名称がついていても、蓋を開けてみると、何気に『あの色とダブってる』色も多くなってきました。

一昔前なら、重ね塗りで表現したような微妙な中間色を商品化していったせいで、『持っていなくても事足りる色』が増えた結果、初心者がさらに混乱をきたす売り場を生み出してしまったという……

実際には全310色以上のうち、半分も持っていれば、大抵のイラストは描けます。

ちなみに現在、私がメインで使用しているのは100色強です。

買ったものの使っていない色、ごくたまにしか手に取らない色も含めると、130色位ですかね。

参考までにカラーチャートを作ってみました。

私はこのラインナップで、今までに『スレイヤーズ』や『ロスト・ユニバース』、『魔術師オーフェン』、そして『カオスレギオン』といった富士見ファンタジア文庫作品を始め、近年では『ガンダムSEED DESTINY』までの作品キャラを描いてきています。

つまり、ぶっちゃけここにある色全て(+技術)を揃えれば、上記作品etc……の二次創作には事欠かないはずです。

もちろん、『エンペラーズ・ハイ』や『ウルカヌスの柩』キャラも言うに及ばず、です。

管理人:……今数えてみたら、ざっと106色ですね。リリースされているうちの約3分の1。長年使っている割には少ない方かな。

しかし、最低限必要な色数を絞れたとは言え、これだけ揃えるにも30000円以上のお金がかかるわけで、一気に出すとなると、これは社会人でもシビアな金額です。

そこで当『かおす本舗』、日頃のご愛顧に感謝して、さらにサービスしてしまいます。

ズバリ、『すぐに使える!このキャラにはこの色!』。上記の色の中から、さらに貴方が『描きたい』キャラに必要な色をピックアップしてしまいます。二次創作はもとより、オリジナルを描いている方も、『この色が揃うと、だいたいあのようなキャラになるのか』というイメージを掴むキッカケにはなるかと。

ただし、あくまで管理人が描いた場合の色指定なので、お好みに合わせた微調整は、それぞれのセンスで行って下さいね。

 

【黒髪キャラ代表】

『ガンダムSEED DESTINY』より、シン・アスカ(必要色数:24色前後)

E41、E00、E11、YR00、E04(以上、肌色基本色。全キャラ共通で使えます)

BV02、BV04、BV31、BV23、BV29、V12、RV10、R14、R29、R39、R59、YR31、Y17、C2、C4、C7、N8、B32、B93

(注:実際に管理人が描く場合、もう少し色が多くなる事もあります)

 

【金髪キャラ代表】

『ギルティギア』シリーズより、カイ=キスク(必要色数:19色前後)

E41、E00、E11、YR00、E04、Y00、YR31、Y17、E33、B32、B24、BV31、BV23、C2、C4、C7、N8、N10、BG32、BG49

(注:実際に管理人が描く場合、もう少し色が多くなる事もあります)

 

【茶髪キャラ代表】

『蒼穹のファフナー』より、皆城総士(必要色数:23色前後)

E41、E00、E11、YR00、E04、E31、E43、E44、E35、R14、R29、R39、C7、B39、

BV02、BV04、BV13、BV23、BV29、BV31

CM24、CM71、CM42(以上3色はコミックマーカー)

(注:実際に管理人が描く場合、もう少し色が多くなる事もあります)

 

【銀髪キャラ代表】

『聖闘士星矢』より、双子座のサガ(必要色数:14色前後)

E41、E00、E11、YR00、E04、E33、BV02、BV04、BV31、B24、B18、Y00、Y17、YR31

(注:実際に管理人が描く場合、もう少し色が多くなる事もあります)

 

管理人:……応用が利くように、ざっとカラーを描くにあたって代表的なヘアカラー4色の中から、それぞれ有名どころのキャラクターを1名ずつ上げてみました。

 

テルゼ:1キャラにつき平均20色……1人描くのに、最低8000円かかる計算ですか……

本当にお金のかかる画材なんですね……コピック……

 

管理人:あくまで私の塗り方で必要な色数だから。

人によっては、これよりも少ない色数でも充分いけるはずです。

ただ、色数をそれなりに揃えた方が、一見してマーカーとは見えない、深みのあるイラストになりますよ。

さらに色鉛筆やパステル(100円ショップのもので充分です)も併用すると効果的です。

では、上記までの内容を参考に、まずはお手元に貴方のイメージを表現するのに最低限必要な画材を揃えてみて下さいね。

あ、『このキャラにはこの色!』で、どうしても知りたいキャラがいたら、拍手などでリクエスト下さいませ。九月の出来る範囲でお答えしますので。

リクエスト企画は終了させて頂きました

それでは次回、実践編へと続きます。

 

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