厨二病の世界(その1)

(初出:October 21 [Sun], 2012)

水面下における生産性のない事務的作業に飽きてきたので、少しだけ世間話以外の記事も書いてみるテスト。

企画当初から特殊能力等を含め格ゲー的な『分かりやすく派手なビジュアル』を意識した設定作りをされた『ウルカヌスの柩』と比べ、キャラや世界観優先で映像的な見栄えとかをあまり意識しなかった為、もともと狙っていた方面からの反応が薄い『エンペラーズ・ハイ』。

……えーと……本来はですね、『必殺技』とか『ライバルとのタイマンバトル』とか『最終ボスは主人公にしか倒せない』とかとか、そういう某少年誌系というかティーンエイジャーホイホイな設定は『エンハイ』の専売特許商品だったはずなんですよ。
(『ウルカヌス』の方はどちらかというと、少女マンガ、もしくは一昔前のドラマ風味のリアル恋愛泥沼系を目指しています。今でも)

そんなわけで。

『もしかしたらWiki化するかもしれない記念・どうあがいても小説はしばらく公開出来そうにないので、色々ネタバレしちゃうよスペシャル』

と題して、本館の方ではまだあまり解説されていなかった『エンハイ』主要キャラ+αのスペック表を晒していこうと思います。
間違いなく長くなりそうなので幾つかに分割予定。

■■■

(以下、2012年10月21日・追記)

……なんと前書きをアップしてから1年以上放置していたという、既に誰が覚えているのか感あふれている記事ですが、例によって作者の覚え書き用に今更ながら更新再開。

まず、2012年5月にアップした『彼氏彼女の事情・食事編』の形式に準ずる形で、『そもそも、サイト本館における殿下やダレフといった〈天魔〉と呼ばれる存在がどいうものか』という事をおさらいすると……

■天魔■
本作では主人公をはじめとして、作中、最も多数登場する、人間以上の力を持つ種族を指す。
一般に〈魔族〉という言葉でもって、吸血鬼などと一括りに説明される場合が多い。
基本的に現世におけるその姿は人間とほぼ変わらないが、本来、超物理的高エネルギー知性体(とどのつまり精神生命体)である彼等は、固有の外観を持って おらず、場面に応じてあらゆる状態変化に対応出来る(そしてその環境適応能力のレベルが、一つの力の基準にもなる)。故に大気圏外であろうがマントルの中 であろうが活動が可能。その知能といい、生命力といい、他の生物種とはまったく別次元の存在である。
中でも特に強大な力を持つ者は『帝神』あるいは『魔皇』などと呼ばれ、現象界の歴史に少なからず影響を与え続けている。
ちなみに本作における『神』と『魔』の概念は、一神教の台頭によって生まれた相対的なもので、種族は共に〈天魔〉である。

……と、〈(使)・(悪)〉 の名を冠している通り、同じ〈魔族〉と言えど、人類にとって驚異的な異能持ちでありながらも、基本的に物質世界を活動拠点にしている吸血鬼や人狼といった 種族とは違い、完全に輪廻や物質世界の干渉から逸脱した存在として、時に敬愛され、畏怖される対象として歴史にその足跡を残している。

純血種の吸血鬼も相当にチートであるが、こちらのチート具合──特に『エンハイ』の主要メンツであるダレフ達魔皇クラスの上級天魔はもはや完全に別次元。
端から人間がどうにか出来る存在ではなく(例えるなら、天変地異に竹槍で向かっていくようなもの)、『ウルカヌスの柩』世界で傍若無人を極める吸血鬼ですら、彼らの前に立てばその不死性を無効化される。(これについては、後ほど記述)。
何と言っても、以前、『かお本ワールド設定資料館・』 の記事で触れた通り、そもそも〈魔法〉という技術自体が、『大天魔の魔力圏の空き領域を使って行使される裏ワザテクニック集』的シロモノなので、それを 使って〈魔法〉という技術の提供者である〈天魔〉をどうこうしようというのが非常にナンセンスという話になるわけである(……まあ、自分が今住んでるのと は別宇宙の〈天魔〉の力を引っ張ってくる事が可能ならば、出来ない事もないわけですが……基本それは人間の魔術師にはほぼ不可能なレベルの奇跡なので、こ こでは横に置いておきます)。

とりあえず、〈魔法〉での戦闘の基本は、〈より高位の存在の力を借りて相手をド突き倒す〉事であり、例えば、ダレフの権能をほぼダイレクトに使用出来る 聖華がイシュトヴァンを小突くのは余裕で可能ですが、イシュトヴァンには現時点でダレフ以上の魔法提供者を引っ張ってくる技術が無い為、純粋に魔法合戦で 彼女に勝つのは難しくなるわけです。
(※ただ、身体能力に関しては圧倒的に吸血鬼(精霊)であるイシュトヴァンにアドバンテージがあるので、実際の勝負は五分五分か、イシュトヴァン有利になると思われる)

話を戻して。

しかしながら、この通り、『エンハイ』の場合、強さの根拠が〈世界観〉というバックグラウンドに頼っている部分が大きいので、殿下やシードが具体的にル カさんや元帥よりどれだけ強いか、非常に分かりにくい仕様になってしまっており、ましてや『エンハイ』に関しては、小説やブログでの能力描写や情報開示が 殆どない……というか避けてきた為、『見た目両方とも剣士っぽいのに、なんで殿下と元帥じゃそんなに戦闘能力が違うんだよ……』と、作者をして突っ込まざるを得ないところ、非常に言い訳じみた形ではありますが、簡単にスペックの違いをまとめてみると……

■殿下達の基本性能■
・『ウルカヌス』組の皆さん=格ゲーのボスキャラ、『エンハイ』組の皆さん=SLGのマップ兵器。
・現象と合一した存在である為、供給される魔力は(他の種族と比較して)限りなく無尽蔵に近い。
・基本、精神生命体である為、一切の物理攻撃をキャンセル可能。(ただし、殿下に限っては受肉している為、物理攻撃にダメージ判定有)
・物理攻撃をキャンセル=物理干渉を受けないので、活動環境に制限がない。大気圏外で活動可能。
・法術による攻撃も霊格が高い為、本体のある次元までは大抵到達しない。
結論:最初から同じ土俵の上には立っていない。
・『エンハイ』キャラに勝てるのは『エンハイ』キャラだけ。

チート・オブ・チートですとも……ええ……RPGで言うと、最初からレベルMAXで英雄になった主人公が、普通の人間になっていく話ですからね……エンハイって。

と、ここまで非常に長い前置きになりましたが。
そんなとてつもない『エンハイ』の、普段はのほほんと茶菓子をつまんでいるおっさんお兄さん達が、各自いかほどの能力をもって宇宙でブイブイ鳴らしているのか、以下、順に見ていきましょう。

■六大魔皇+αの作中における序列と力関係■
1.〈首座魔皇・序列第一位・十二柱総帥・全知神〉ダレンフィム
2.〈司法総帥・序列第二位・法皇〉レイグリフ
3.〈軍務総帥・序列第三位・護戦神〉エリフォン
4.〈序列第四位〉ラファスーン
5.〈序列第五位〉イグナツ
6.〈形式上は間にカナートが入る為、第七位であるが、実質上の序列第六位〉テルゼ
番外:カナート(実際の実力は全盛期のダレンフィムに匹敵。=かおす本舗最強キャラ)



(中略)

(身分上は勲爵士であるが、実力的には王侯に引けをとらない)シード





(越えられない壁)

アホウドリ

(中略)←多分このあたりにイシュトヴァンや貴人、元帥あたりのチート吸血鬼。


セバスチャン(腕力は最弱だが一応天魔なので生存能力だけは高い)

……まず第一に、上記が作中における政治的影響力(態度のデカさともいう)を考慮した上での序列でありますが、これを単純に〈戦闘能力〉に置き換えた場合、現状では、

カナート≧エリフォン≧テルゼ=ラファスーン>レイグリフ≫イグナツ>ダレフ>(越えられない壁)>シード

という形になります。意外かもしれませんが。
ちなみに、七柱の魔皇のなかで圧倒的に魔力容量と出力が大きいのがラファスーンで、残りのメンツの魔力容量はほぼダンゴ、法門(後に記述)が殆ど潰れていて火力に難ありなのがダレフ、ハイブリッド式で燃費が良いのがテルゼこと殿下、という感じ。
だったらなんで、あらゆる点において他より劣っているダレフが、他のメンツ(特に火力最高のラファスーン)に対してデカい態度をとれるのかといえば、昔取った杵柄は下より、なんといっても特殊能力の〈全知〉によるところが大きいのです。

■全知■
(以下、サイトより抜粋)
本作を語る上で外す事の出来ない、ある意味全ての発端に繋がるダレンフィムが行使する特殊技能。
一定空間内(その範囲は任意で指定が可能)に存在するあらゆる事象を把握し、また、そこから得られた情報を高速で整理・統合していく事により、限りなく正確・緻密な状況判断・対処を可能とする。俗に言うところの〈千里眼〉能力である。
加えて〈千里眼〉と決定的に異なるのは、情報を受け取るだけでなく、積極的にそれらへ働きかける事も出来、ターゲットの法術発動シークエンスに強制干渉 し暴発させたり、それを仮想空間に一時保存し打ち返す(カウンター攻撃)と言った反則的芸当も容易に発現させる。戦場において、最も効果的・効率的に戦う 方法を提示し、活用させる能力とも言えよう。
ダレンフィムがかつて多対一の状況にあっても圧倒的な強さを誇り、現在もなお、数多の〈魔皇〉の頂点に君臨し続けているのは、この力によるところが大きい。
ただし、この一見万能とも取れる能力にも〈禁域〉が存在し、〈法皇〉レイグリフの特殊技能である〈封隠〉発動空間内においては効力を発揮する事が出来ず、また相手の精神領域についても越権する事は適わないらしい。

……一個人ならばいざ知らず、近代以降における国家規模のパワーゲームでは情報戦や電子戦の占めるウエイトが高いので、それに特化しているダレフの能力は尚更畏敬の対象となりえるというわけです。

ちなみに、『ウルカヌス』のメンツは格ゲーキャラを意識した作りになっていると前述しましたが、魔皇連中の場合は、世界観と影響規模的に兵器、もといガ○ダムあたりをイメージして能力を割り振っていますので……ざっと例えるなら、

・ダレフ
……情報戦と電子戦に特化した機体にその道のスペシャリスト(ニュータイプ・カリスマ能力持ち)が搭乗。機体の火力は必要最低限なので、指揮官向け。元々 パイロットは天才的な素質の持ち主だったが、事故の後遺症で最前線でその能力を生かすことは出来なくなってしまった。本来は艦隊の旗艦あたりに収まってい たほうがしっくりくるタイプ。
・カナート
……他のMSのプロトタイプになった怪物マシンに英雄的パイロット(ニュータイプ)が搭乗。火力・格闘能力共にハイレベルでまとまっている。理屈抜きで強い戦場の華型。その存在感だけで続く軍勢を鼓舞するタイプ。然り然り然り。(←)
・レイグリフ
……防御力・装甲重視型。生存能力に特化。格闘能力はそこそこ。パイロットはバランス型のエース。優等生であるがゆえに地味。(……)
・エリフォン
……近接格闘特化型。スピード・火力も高い。その分装甲は軽めだが、とにもかくにもやられる前に攻めて攻めて攻めまくる攻撃力重視タイプ。パイロットは直 感型のエースなので、セコンドが思慮深く人望のあるタイプでないと、上手く部隊を運用しにくい。『俺を見た奴は死ぬぜ!』(←禁句)
・ラファスーン
……火力・出力重視の重砲撃型。MSというよりMA。パイロットは好戦的で笑顔で背後から人を刺すタイプ。敵に回すとかなり怖い。
・イグナツ
……戦闘狂の軍医。実はパイロットとしての腕も一流。常に適当な患者を与えておかないと自分で戦場へ飛び出して行って患者をこしらえてくるので要注意。(待て)機体の性能は量産機をパイロットの好みにややカスタムした程度のオーソドックスなもの。
・テルゼ
……ステルス能力に特化した最新鋭機に次世代のエース(ニュータイプ)が搭乗。機体は同時にダレフ・カナートが搭乗している機体の純粋な後継機である為、並のパイロットでは乗りこなせないほど火力等の基本スペックも高い。
パイロットは高度な戦闘訓練を経た結果、ちょっと能力的に人間をやめているふしがあるが、この戦いが終わったら普通の学生として穏やかに暮らしたいと思っている心優しきティーンエージャーである(死亡フラグ)。

ちなみに『エンハイ』の場合、各自の戦力がパイロットの能力+MSの性能でワンセットになっているのがミソで、実は行使出来る魔力の容量とタスクの処理 能力でほぼダンゴ状態である殿下を含めた六大魔皇に割とはっきりとした戦力差がつくのと、逆に魔力容量と出力において劣るはずの殿下やエリフォン達がラ ファスーンと同等かそれ以上のスコアを上げる可能性が高いのは、霊格がほぼ同等の場合、〈魔皇〉の名を冠する超自然的存在の一大システムを統御している中 心核の意識体(平たく言えば主人格の魂)に戦闘センスがあるか否かで勝敗が分かれてくるからです。

ようするに卓越したパイロットが操作していれば、量産機でもそこそこ戦えると。あとは魔力容量に依存しない特殊能力持ちで、それを生かした戦いが出来れば(頭が切れれば)、一定のポジションを確立できると。そういうわけです。
でもって、いくら魔力制限なしで魔術打ちまくりの状態であっても、結果として同格の魔皇同士だと決め手に欠けるので、最高位天魔同士の戦いが最終的にどういう形になると言えば、割と地味に剣や刀(神器)での斬り合いや殴り合いになっていくという。(結局格ゲー化。ただしフィールドが360°のオールレンジなので、ギルティというよりはサイキックフォースだけど……)
ただし、見た目が地味であっても、〈存在自体が天変地異〉という無体な奴らが剣や槍を振るったりした場合、周囲にどのくらいの影響が及ぶかは推して知るべし。

そうした要素が重なった結果、VSカナートの最終ボス戦に挑める資格を持つのは、殿下のみに絞られていくようになります。

続いて殿下を始めとした個々の魔皇の特殊能力等を絡めた壮絶なネタバレをしていきたいと思いますが、時間と行数にリミットが近づいているので、以下次回に。

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